禅林偈頌作法入門/偈頌研究会/定価24200円/「簡単に偈頌を作る」方法の一つとして基本的な文例を基礎として応用するということを提示した

商品説明
禅林偈頌作法入門/偈頌研究会/定価24200円/「簡単に偈頌を作る」方法の一つとして基本的な文例を基礎として応用するということを提示した

2001年 472P 部数は少なそうです。資料用にもいかがでしょうか。

はじめに
飯田利行師は偈頌(香語)のことを、「法要儀式の主眼となる理念であり精神である」と述べられて いるが、まさにその通りである。また、西紀前三千年の威儀(『礼儀」で説かれた作法)が日本の禅門 で今も生きていることを、「稀有にして貴重」ともいわれている。 思えば、他宗の法会が差定に従って行持を行なうだけであるのに対し、禅門の法会では、導師がその 機録を法語によって、本尊や故人、大衆や参列者に示すという大場面をもっている。これもまた、稀有 であり、貴重なことである。法語を述べるということは、表白を読むということと似ていながら、まっ たく違ったことなのである。これがあることによって、法会はただの儀式から禅機が発露する真の「法 会」になるのである。

これほど稀有で貴重な価値をもつ法語を、自ら作らない禅僧がいるというのは、残念であり、またも ったいないことである。知人に作ってもらう者もいるという話であるが、他人の語をもってどうやって 自己の法語とするのであろうか。 「確かに偈頌を作るのは面倒な作業である。漢字を使っているから違和感が少ないが、もとは中国語の 詩であることを考えれば、英語の詩で悟境を表現しようとするのと大差はないことになる。しかし、だ からと言って、偈頌を作ることを忌避していては禅僧は勤まらない。 「とにかく簡単に偈頌が作れるような本を」という編集部の意向から本書は編まれた。その目的がど こまで達成できたか疑問であるが、この本をうまく利用していただければ、自己の悟境を偈頌の形にま とめることはできるはずである。多少ちぐはぐしようと、自分の手で作った偈頌の方が他人に作っても らったものより、法語としては格段にすぐれているはずである。一転語するところにこそ禅僧の真面目があるのであり、道い得ても三十棒、道い得なくても三十棒であるなら、道い得て三十棒を受けるべき ではなかろうか。

さて、本書は「簡単に偈頌を作る」方法の一つとして、基本的な文例を基礎として応用するというこ とを提示した。文例はできるだけ多くのバリエーションを収録する方針で集めたが、紙幅の都合から割 愛しなければならないものもあった。また、最近の作例も収録したいという意見もあったが、今回は 者が出典に当たれるものに限ることにした。いずれ機会があれば、これら割愛したものを収録した続編 を作りたいと思う。

第二部についても、当初、詩語辞典としても使える程度の語彙・実例を収録する予定であったが、第 一部が予想外の頁数をとることになってしまったので、規模を縮小せざるをえなかった。この欠もまた 「禅林類語国語辞典』のような形でまとめなおしてみたいと思う。

本書をまとめるに当たって使用した資料は、巻末に「参考文献」として提示したが、中でも曹洞宗出 版部編「曹洞宗近代香語集」と秦慧玉禅師著『引導法語と香語の作り方』には多大な恩恵を蒙った。と くに秦禅師の著書は百四十六頁ほどの小さな本でありながら、偈頌作法のすべてが盛られて懇切丁寧、 他書を圧倒している。しかありながら、秦禅師は「浅学菲才殊に勉学未熟の筆者にあつては極めて危険 な仕事である」と書かれている。これからすれば筆者など千尋の谷に架かる橋の欄干で踊る愚を犯して いるようなものであろう。まことに汗顔の至りである。読者諸賢には本書一読ののち、参考文献にも眼 を通され、著者の不学を笑われんことを請う。

最後に、引用させていただいた書籍の著者の各位、また、斎々坊の編集者の各氏に感謝申し上げる次 第である。
平成七年九月吉日
著者

お好きな方、お探しの方いかがでしょうか。

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